シャルケ04と契約を結んだサッカークラブチームの熱い想いを受けて、山梨へ!日本の育成環境を変えるべく奮闘中...!(2)
(↑)練習の準備をする子どもたち。小学生ってもっとゴチャゴチャしてるイメージでしたが 、協力し合って素早く準備していたのが印象的でした。
(↑)ビブスを受け取る子どもたち。和やかな雰囲気なのに、ちゃんとまとまってる。大人も見習おう(笑)
〜練習開始!〜
コーディネーションを積極的に取り入れた練習
【拍手】
(↑)こちらの写真の左にいる方は岩崎大輔さん。(以後岩崎コーチ)
普段は3つのグループに分かれて練習しているそうですが、この日は2グループに分かれての練習でした。岩崎コーチ担当のチームは前日が練習試合だった為、コーディネーションという、あまり走り込んだりせず、楽しめる要素を取り入れたトレーニングを行なっていました。
上の写真で行なっているのは、ボールを頭上に投げてキャッチするまでに、何回手を叩けるかというもの。先生の「今、どんな工夫をした?」という問いかけに子どもたちは「手を早く叩くようにした!」「ボールを高く投げるとたくさん手を叩けた!」と言っていました。
【しりとり】
次に、しりとりをすることになったのですが、だんだんコーチの出す課題は難しくなっていき、最終的には3人組になり、手でボールを交換しながら別のボールを使い足でパス。しりとりは4文字以内。制限時間は15秒以内という内容に。
やってみると、1人のところに2つのパスが行ってしまったり「切り干し大根!」と、元気よく4文字以上で「ん」がつく言葉を言ってしまう子がいたり、簡単な条件でもたくさんのことを同時にやろうとすると、苦戦していました。
この時にも、コーチは間違えた生徒のところまで駆け寄っていって、アドバイスをしていました。
コーディネーショントレーニングの狙いは、運動神経を刺激して、脳との動きを連動させる速さを鍛えることです。
コーディネーショントレーニングというと、自分は学生時代、ラダートレーニング等をしていた記憶がありますが、どちらかというとただ黙々と与えられた課題をこなし、訓練している印象でした。
コーチ陣が、子どもたちが楽しく取り組めて、かつ「自ら考える」課題を与えていて素晴らしいです。
【鬼ごっこ】
なんと、この練習の狙いは顔を上げさせること。
子どもたちに色々な色のビブスを着てもらい、ドリブルしながら鬼ごっこをしたり、コーチが指定した色や人数で集まることで、ドリブル中に自然と顔が上がり、周りを見るようになります。
サッカーの試合では、周りの状況をよく見る事が大切なので、このような習慣が身につくと嬉しいですね。
...コーチが「周りを見ろ!」と言えば済むところを、わざわざ過程を作って「周りを見ることの大切さ」に気付かせてくれています。
【ジェスチャーゲーム】
真ん中に1人が立ち、いろいろな動きをします。周りの子達はそれを真似します。
チームメイトの動きをよく観察することや、敏捷性、瞬発力が養われそうですね。
【伝言ゲーム】
2つのチームに分け、代表の2人が何やらコーチから耳打ちされています。
ゴニョゴニョゴニョ...。
(いいなー!楽しそう!)
そして、各列でコーチの出したお題をジェスチャーで伝えていきます。
皆次々に倒れていくので、答えはふなっしーかと思ったらゴールキーパーでした(笑)
チームメイトにわかりやすくお題を伝える努力をすることは、(サッカーでいうところのパスやシュートなど)伝える為のアイディアを引き出す練習になり、実際の試合で活きてくるそうです。
【コーンの色タッチ】
込山コーチが、「赤、黄、青、緑!」などと色を指定して、その色のコーンを順にタッチしていくというゲームです。
集中力を高める事や、学年関係なくコミュニケーションを取る事が目的です。
みんな楽しそうに、そして真剣に取り組んでいます!
【コーンをゴールに見立てて1対1の対決】
よーいドンで、ゴールに見立てたコーン2つの間へドリブルします。
もちろん敵もいるので、ボールを取り合います。
このときのルールは、コーンの間へシュートはしてはいけないということ。
最後まで、一人で敵をかわしつつ、ドリブルをしてゴールに向かう練習になります。
【積極的な子どもたち】
コーチが質問を投げかけたり、意見を求めると、みんな積極的に発言していました。たまに、「ん?」という回答もありましたが、コーチは否定するということは絶対にしませんでした。
【最後は制限なしの試合】
今回の練習を通しで見て、ルールを設けつつ、自然と「学び」を得られるように工夫してきた印象でしたが、最後は「完全に自由な試合」を行いました。
この試合の目的は主にこの2つで、
・子どもたちが自由に動くことで、次回の課題をあらゆる角度から見つけやすくなる。
・今日の練習でやろうとしていた事が、試合に活かされているのかの確認ができる。
このとき印象的だったのが、子どもたちが失敗を恐れずにプレイしているということ。
コーチも、失敗を見て怒ることはありませんでした。
「例えシュートを失敗しても、その過程が良かったかもしれない。」
そう言って、子どもたちの良いプレイを一生懸命に探していました。
もちろんダメだったところもよく見ています。これには、ヒントを与えてあげたり、また次回の練習で改善策を練るそうです。
今回の取材を通して一番感じたこと。それは、大人たちが育成の本質と真剣に向き合っているということです。
「試合に勝ちたい。」「このゴールを決めたい。」...そこで成功すれば、そのときは成功なのかもしれません。
しかし、メディアブレインの大人たちは、そこに重きを置いていないのです。
積極的なプレイ、頑張り、楽しむ中で身についた技術をもって戦いに挑む子どもたちの姿を優しい眼差しで見守っていました。